【感想】14歳の栞
皆さん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
UniCosmoです。
3月と言えば別れの季節ですね
卒業式とか異動だけが別れの場ではなくて、クラス替えも別れの場でもあるのかなと思えた映画の感想です。
今回書きたい映画は「14歳の栞」です。
14歳の栞 監督:竹林亮
あらすじ
あの頃、一度も話さなかったあの人は、
何を考えていたんだろう。
とある中学校の3学期、「2年6組」35人全員に密着し、ひとりひとりの物語を紐解いていく。
そこには、劇的な主人公もいなければ、大きなどんでん返しもありません。
それなのになぜか目が離せないのは、
きっとそれが「誰もが通ってきたのに、まだ誰も見たことのなかった景色」だから。
そしてその35人全員が、どこか自分と重なってしまうからかもしれません。
まだ子供か大人かも曖昧なその瞬間、私たちは、何に傷ついて、何に悩んで、
何を後悔して、何を夢見て、何を決意して、そして、何に心がときめいていたのか。
これは、私たちが一度立ち止まり、
いつでもあの頃の気持ちに立ち返るための「栞」をはさむ映画です。
公式HPより引用
感想
ごめんなさい
やらせだと思って見に行ってました。でも色んな描写・人物からやらせじゃないと確信しました。自分の心は汚いね!
本当に制作陣の方々に土下座したい。
スクリーンに映るのは等身大の14歳の少年少女たちで、もう濁りのない14歳なんですよね、「リアル」よりもリアルな映画でした。
自分の14歳はそもそもあまり記憶にないし、思い出もピンとくるものがなくて、薄いものだったのかと思いながら見ていて
それでも、スクリーンに映る35人はどこかしら自分に重なるものがあって、一瞬でも14歳の感覚に戻れたのかな…
※特殊タイムマシン映画ですね
そもそも14歳って人生最初の転換期(思春期)な気がして、心も体も大人に急に近づくのに、まだ届かないみたいな、このムズムズ感…
「大人になれないけどもう子供じゃない!」みたいな、あのむず痒い感じ
だからこその「ありのまま」をぶつけられる120分
"クラス"という場所で35人1人1人の顔も言葉も気持ちも映し出されて、みんな違うのに、どこか過去の自分と重なってノスタルジーに浸ってしまった
良い映画とか悪い映画のくくりが当てはまらない、切り取った日常風景なのに泣いてしまうし、色んな感情で大洪水状態です。
見た後は、
教室の喧騒、眠たい授業、面白い授業、甘酸っぱい青春、部活に打ち込んだ放課後、友人と帰った下校道、人気の先生、ワケの分からない先生、突然ブチ切れる先生、話の長い校長、窓側席からの景色、ワクワクする席替え、飽きない給食、ふざける人、ムードメーカー、無口な人、謎な人
全てが鮮明に見えてくる。
そしてその時の自分はどうだった?
14歳の自分、この映画の誰よりも劣っていたのでは?
何ができていたんだろう、あの頃の自分
沸々と過去の自分に対して思うことが出てきて、
結論、自分も年を取ったという現実に襲われた。
それでも今このタイミングで、なんて事の無い過去の自分を思い出せて良かったのかな
未来の自分から14歳の自分へ
さよならとただいま。
最後に
『#14歳の栞』が、本日公開を迎えることができました。
— 映画『14歳の栞』公式アカウント (@14shiori_cinema) March 5, 2021
製作陣一同本当に嬉しく思っています。
それと同時に、実在する中学生を扱った繊細な作品を公開するということに、責任を自覚し臨んでおります。
そこで、本作をこれから観ていただく方にお願いがございます。
ぜひご一読頂けますと幸いです。 pic.twitter.com/Mpk1tAo70K
けっこう個人情報とか出てる映画なのでよく企画が通ったなぁと驚いた映画でした。
公式からも言われてるように"実在"する一人一人なので誹謗中傷とか、よけいな詮索とかは辞めましょう!
平和に優しくこの映画が知られていくことを祈っています。
上映劇場はまだまだ少ないですが、是非見てほしいです。
ではでは。
庵野秀明の実写起源 - 【感想】ラブ&ポップ
皆さん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
UniCosmoです。
3月が終わりますね。
春先は不審者も増えてくるので、危ない人がでてくる映画が見たくなります。
今回みたのはこちらの映画
ラブ&ポップ 1998年 庵野秀明監督
あの庵野です。
庵野監督の実写初期作品でエヴァの旧劇の半年後に公開されています。
そして物語が描かれる1日が1998年7月19日がエヴァ旧劇の公開日だったりと中々小ネタを挟んでくれる庵野
あらすじを言葉にするのが難しいので予告を見てください。
女子高生の青春譚に見えるかもしれないけど援助交際が題材です。
というか見たときに庵野だと知らずに見てたんですよね。
ただ特有のローアングルだったり使用フォントだったりが庵野で、まさかと思ったら庵野でした。
感想
旧劇でアニメーションに限界を感じてた庵野が実写に片足を突っ込んで、そこから作った実写なのかと思いつつ見ちゃいました。
ドキュメンタリーのようなこの感じ、エヴァにも似てるんですよね、話してもネタバレにしかならないけど
庵野が結局描けているのはおじさん側の人たちなんだろうなぁ。
庵野実写作品他にも見てみようかと思います
エンディングが好き!
見ないとこの映画は分からない
短いけど終わり!
【感想・ネタバレ有】感想補完計画 序
皆さん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
UniCosmoです。
今回は「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」のネタバレ有感想になります。
ネタバレ無感想は書くのが難しかったから、やっぱ障壁なくバンバン書きてえよなあ
!!!
ネタバレ無グダグダ感想はこちら↓
これまでのエヴァンゲリオン
おそらくこのブログを見てる人には必要なさそうなコーナー
上の目次から飛ばしてもいいです
TV版「新世紀エヴァンゲリオン」
時は西暦2015年。
南極の氷雪溶解による世界的危機(セカンドインパクト) から復興しつつある時代。
箱根に建設中の計画都市、 「第3新東京市」に突如襲来する“使徒”。彼らはその正体も目的も不明だが、 さまざまな形態・特殊能力で人類に戦いを挑んできた。
この謎の敵“使徒”に人類が対抗する唯一の手段が 「汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン」である。国際連合直属の特務機関「ネルフ」によって主人公「碇シンジ」を含む3人の少年少女がその操縦者に抜擢された。
今、人類の命運を掛けた戦いの火蓋が切って落とされる。
果たして“使徒”の正体とは?
少年たちの、そして人類の運命は?
パワフルなバトルアクション。
謎また謎のスリリングなストーリー。
少年少女達の葛藤、そして心の成長。
ダイナミックに展開する、本格アニメドラマです。
旧劇場版
TVシリーズ完結後、もうひとつの結末として描かれた物語が「劇場版エヴァンゲリオン」です。
TV放映中より多くのファンから応援を頂き、また完結後も様々な議論が巻き起こり “社会現象アニメ”として多くの方の話題に上る大ヒット作品となった「エヴァ」は、その声援を受けて「総集編」と「もうひとつの完結編」を、映画版として公開することを96年秋に発表しました。
そして97年春に公開された劇場版「シト新生 DEATH&REBIRTH」、及び97年夏には劇場版「Air/まごころを、君に THE END OF EVANGELION」として公開されました。
(98年春には「REVIVAL OF EVANGELION」として、総集編「DEATH(TRUE2)」と「THE END~」を一つにした新バージョンも公開となりました。)
ヱヴァンゲリオン新劇場版・序
突如世界を襲った未曾有の大災害“セカンド・インパクト”。この影響で人類の半数近くは死にいたり、世界の各地には大破壊の痕跡が刻みこまれた。やっと平穏な日々が戻ったと思われたとき――14 歳の少年・碇シンジは父親から第3新東京市へ呼び出されて、出迎えを待っていた。
その眼前の山あいから、巨大な生物が出現! それは「使徒」と呼ばれる正体不明の存在で、たちまち国連軍と激しい交戦を開始した。爆風に巻きこまれ、危機に陥るシンジ。その生命を救ったのは、葛城ミサトと名乗る女性だった。
ミサトの車で特務機関NERV(ネルフ)の本部へと連れていかれ、シンジは父と3年ぶりの再会をはたした。だが、シンジは父の碇ゲンドウから極秘裏に開発された巨大な人型兵器を見せられ、使徒との戦いを強要された。それがシンジと人造人間エヴァンゲリオン初号機との出逢いであった。
反発を覚えたシンジではあったが、女性パイロット綾波レイの重傷を目のあたりにして、逃げることを否定し、ついに自ら出撃を決意する。何の訓練も受けないままに、初めて使徒と対峙するEVA 初号機のシンジ。
世界の命運を託された14 歳の少年シンジは、はたしてどう戦うのか? そして、セカンド・インパクトに隠されたキーワード
「人類補完計画」の真実とは?すべての謎の鍵を握る碇ゲンドウは、シンジの苦闘をじっと見つめている……。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序 公式HPより
ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破
新たな未来を新たなビジョンで語る、映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』全4部作(公開は全3回を予定)。
2007年9月に公開された第1部「序」は、大きな拍手をもって迎え入れられた。
リビルド(再構築)という手法で大きくスケールアップされた映像は、観客の心を大きく揺り動かしたのである。
その感動をふまえ、次のステップを目ざして第2部「破」が始動する。
汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンに乗ることで、自ら戦うことを選んだ碇シンジ。
大きな運命を託された14歳の少年の物語は、ここから未知の領域へ突入する。
綾波レイと人気を二分するヒロイン、アスカがエヴァンゲリオン2号機に乗って参戦。加えて魅惑の新ヒロイン、マリが登場する。
謎の敵性体“使徒”とEVAシリーズの戦いは新エヴァンゲリオン仮設5号機の参加で、さらに激しくエスカレートしていく。
スクリーンに続々と展開する、誰も見たことのないバトルシーン。
驚異のスペクタクルの興奮は、未知の物語へとつながっていく。
あえてTVシリーズと同じ出発点からスタートしてみせた新EVA伝説。
この第2ステージからは新しい要素が加わり、大きく物語のポイントが切りかわっていく。
そこから見えてくる全4部作の真の姿とは、はたして何なのだろうか?
ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破 公式HPより
公開は全3回を予定…予告も使われなかったり、変わってくることも醍醐味の一つですね。
新劇場版の再構築もここから大きく動き出しました。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版・Q
公式のあらすじがない!!!
ので自分で書きます。
鬱BL映画
サントラ的にめちゃくちゃ好きです。
ネタバレ有の感想
はい、終わってしまいましたね、エヴァンゲリオン。
「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」とあるように
TV、旧劇も含めたエヴァンゲリオンの劇場版として「真」なる映画だったと思います。
個人的にはミサトさんと加持さんの株が上がりまくりでした。というかミサトさんのシーンで号泣しました。
あのシーンでかかる曲がまさかの「Joy to the world 」(邦題:もろびとこぞりて)でこれからクリスマスが来る度ミサトさんのことを思い出してしまいますね。
毎回今回のクラシックはなんだろうと考えていたのでここで讃美歌がくるのはグァァァァァァァァとなりました。
そしてすごい顔になってたゲンドウ。
君もまた主人公だったんだなと思うところも多々ありました。
一人一人に対して書くと、1つのブログで25年くらいかかりそうなので、感想小分けにして書いていきます。時間をかけてゆっくり。
希望、死
まず、時間を置いて思っていることの一つ。
シン・エヴァでは各人の希望が叶ったと同時に、そこには絶対「死・消滅」が伴っていました。
シンジくんの立ち直り → 綾波(仮)の死
マイナス宇宙へ行くゲンドウ → 冬月の死
シンジくん、エヴァに乗る → アスカの死(これはちょっと強引かも)
第3の槍を作り出す → ミサトさんの死
青い世界を作りたい → さようなら、すべてのエヴァンゲリオン
死がここまで結び付けられているのは、本作のキーワードである「落とし前」をつけるためなのか?
死→落とし前をつけないといけない→何かが動く原動力
見てる側としては、この流れは分かりにくいんだけど、逆に分かりやすかったらそれは軽すぎる変化になっていたのかと思います。
この希望と死に関しては範囲的に本作だけでなく、現実世界でも同じで
エヴァの完結が叶ったと同時に、完結を見ることなく亡くなった方々も大勢います。
この映画を見た(見てしまった)我々にできる落とし前ってなんだろうか。
エヴァ好きでいること?何回も見に行くこと?
それは個々人で思い描いてみてください。
映画とは虚構です。だから楽しさも美しさも儚さも生まれるものだと思ってます。
シン・エヴァはあなたの物語です。
TV版が好きなのも、旧劇を好きなのも、貞本漫画版が好きなのも、新劇場版が好きなのもいいことですが、過激派になってそもそもエヴァという作品を批判する人々が公開後ちょくちょく見受けられるようになってます。悲しいかな。これもある意味、伴った死なのかもしれませんね。
救い見つかるといいですね。そこにも代償はあるかと思いますが。(皮肉)
東映特撮へのオマージュ、心の叫び、庵野の愛
庵野ォ!
特撮大好きなのが今回すっげえ伝わってきた。
まず特筆すべきは、初号機 VS 13号機のシーン
(持論の1つですがカヲルくん=ゲンドウ説的にとも重要なシーン、TV版のカヲルくんの登場シーンを見てからシンエヴァで見てみてください。)
ミニチュアセットのような空間でのバトル。
※あそこ少年心で超ワクワクしてました。
東宝ビルドのスタジオやん!!!
あの戦ってる時にセットがあまり壊れない感じとか、だだっ広い道路、ウルトラマンAとかですかね…
予算ガン無視基本大赤字の円谷プロのあの感じ好きです。
ホリゾントを超えてのスタジオ空間。
エヴァスーツのつるし方が怪獣倉庫やん!!!うおおお!
あとはAAA Wunder VS NHGErbsündeの戦艦バトルシーン。
当時スターウォーズとかヤマトの影響でスペースアドベンチャー流行してて、のっかろうとした東宝の(国内失敗作)の惑星大戦争やないかい!(なぜか西ドイツで大流行したらしい)
予告しか見たことないけど曲は特撮界隈で有名です
今度ちゃんと見てみよう。
そういえば、サントラも買っちゃいました。
シン・エヴァのテーマ曲が好きすぎて…たまらん…
公式からも一部曲聞けるのでぜひ!!!!
音楽面でも書きたい
そして何よりもすげええええええとなったのが、
エンドロールで美術背景に島倉二千六さんのお名前があったこと…
ここ気づいたの世界で俺だけだろ(マウント)
そう、宇宙大戦争、ゴジラシリーズ、モスラ、フランケンシュタイン等の数々の東宝特撮における「雲の神様」です。
おそらく、初号機 vs 13号機の空の背景なんですけど、よくもまあ、ええといった気持ちです。
すごいよ。
マイナス宇宙のシーンのほとんどは、シンジ君ともゲンドウとも違って庵野のマイナス宇宙だと思うんです。
オマージュ≒おまじない
言葉的に似てるよね
すっごい特撮愛、リスペクトを感じました。
もう夜だ。また書こう。
ゴルゴダオブジェクトって結局何なんだ?
感想補完計画 序
完
【感想】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
皆さん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
UniCosmoです。
ついに公開日を迎えました「シン・エヴァンゲリオン劇場版」
TV、旧劇、序破Qときて、ついにですよ
※自分より年上のアニメなんですよね。
無論仕事は休みにして見に行ってきました。
何話してもネタバレになりそうで怖いですが、感想喋りたいので書きます。
感想
"""""終わった。"""""
まず、この映画
「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」です。
あくまでもエヴァンゲリオンの劇場版です、新劇場版だけ見てないで、TV、旧劇も見てください、集大成なんです。
ちゃんと完結します。あのエヴァが。
エヴァとの初めての出会いは高校の時レンタルした「新劇場版・序」でした。そこから破、Q、テレビ版を見て、旧劇ときてます。
なんか難しいけど、後引く面白さがあったり、純粋にメカニックデザインが好きだったり、当時の自分は魅せられてました。
時は流れ、今日、本当に完結しました。
とにかく見てください、感想ぶつけ合いがしたい…
・冒頭3分41秒のこれまでのあらすじがあります。優しいですね。
・2時間50分は自分的には余裕でした。好きなことしてる時はあっという間なので。
・農業体験!
・ネタバレ
・ネタバレ
・ネタバレ
・ネタバレ
・ネタバレ
んー、話すのが難しい
新2号機αと改8号機γは死ぬほどかっこいいし、特撮的にニヤッとしてしまう場面がいくつかあったり、他には庵野なりTVとか旧劇の「落とし前」をつけたかったのかなという印象。
実写に近い映像体験であったり、もはや実写であったり、でもアニメーションであったり、はたまた絵コンテであったり、庵野らしいことは今までたくさんありましたが、それらも上手く落とされているのではないでしょうか。
新しい言葉も色々出てきます。がフィーリングで6割くらい理解できます。大丈夫です。
「人はなぜ生きるのか」「その意味はなんなのか」
最後に、シンジ君、綾波、アスカ、マリ、カヲル君、ミサトさん、リツコさん、ゲンドウ、冬月、あと○○、○○、○○、○○、○○、○○、○○、○○、○○
ありがとう、おやすみ、さようなら、すべてのエヴァンゲリオン
ネタバレありも近いうちに書きます。ネタバレ無しはきつい。
パンフレットは買いです
それでは。
【感想・ネタバレ有】かしこい狗は、吠えずに笑う
皆さん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
UniCosmoです。
昨日の記事で温かくなってきたと書いたら寒くなりましたね。
猛烈に風が強くて引きました。
さて、4連休もラストなので家で映画を見ました。
先週の土曜日に「哀愁しんでれら」という映画を見てきて、久々に魅力的に感じた邦画と出会えたんですよ。
「哀愁しんでれら」公式サイト
「哀愁しんでれら」予告
予告での雰囲気と音楽に惹かれ、興味MAXになって気になってたんですよね。
「哀愁しんでれら」の感想も吐き出したい…多分近いうちに…
この作品の監督が「渡部亮平」さんという監督で、33歳と新進気鋭の若手監督なのです!
「こんなに面白い作品久しぶりだし、監督の過去作品見たい!」となってしまった私は、初長編作品である「かしこい狗は、吠えずに笑う」の存在を知りました。
かしこい狗は、吠えずに笑う 渡部亮平監督
「かしこい狗は、吠えずに笑う」公式サイト(自主作品なのでfc2なのも面白いところ)
「かしこい狗は、吠えずに笑う」予告
予告見たときは「青春映画とか百合恋愛かな?」と思っていました。半分当たってました。もう半分は…
あらすじ
とある女子高校。周囲からのいじめを受けていた二人の女子高生。
ブルドックのような「容姿」が原因でいじめられている、熊田美沙。
対照に可愛いがために「嫉妬」が原因でいじめられている、清瀬イズミ。
また、彼女たちのクラスの西尾アヤは行方不明となっています。
ある日、美沙が図書室で勉強していると、イズミが数学の明日行われるはずのテストを持ってきて二人の交流が始まります。「本物?」と聞く美沙、「フヘヘ」と笑顔を浮かべるイズミ。
お互いに、見た目による原因でいじめられ、悲しい思いをしてきたことを理解し合える仲になり、どんどんと絆や友情が深まっていくのでした。
そんなある日イズミは、理科室で美沙が育てていた金魚の水槽を掃除しようとし、誤って割ってしまうのでした。イズミは"水槽を割ってしまったこと"をたくさん謝りますが、金魚は亡くなってしまい、二人の関係は微妙なものになっていきます…
感想
渡部監督、すげええええええ!
本作、監督・脚本・編集を渡部監督が行っております。
しかも、予算が150万円という低予算での自主製作映画なのですが、圧倒的完成度の高さにビックリしました。
あと、ピアノのBGMが最高にマッチしてます。
もの悲しさ、美しさもすべてマッチしてます。
さて本編の内容の感想ですが、
前半、美沙とイズミが出会ってからどんどん仲良くなって一緒に過ごしていくシーンがとても青春してて、いじめっ子なってどうってことない!って感じがこれでもかってくらい清々しいものでした。
特に自転車に乗って走っていくシーンはとても素敵でした。まじ青春。
あとは、「イズミが美沙に赤色のペディキュアを塗る」シーンや、「ノーパン校内ダッシュ」のシーンなんかも二人の友情が高まっているのを感じました。
ペディキュアを塗るシーンですが、イズミは青色のペディキュアを塗って二人の色がでてきてて微笑ましいなと思って見ていました。
が、金魚の水槽を割っってしまったあたりから不穏になっていきます。
作中でも語られますが、イズミは金魚を殺してしまったことは謝っていないんです。
このシーンの後からイズミが命令口調になったり、闇の部分が露になってきます…
ここからの感想はネタバレになるので、別項目とします。
まとめはこちら
ネタバレ有感想・考察
ネタバレがあるぞ!!!
ネタバレ防止のためにしばらくスクロールしてください。フヘヘ。
イズミ、怖い。怖い。
美沙のペット(小鳥のチュン太)を貸せ、というイズミ。
美沙は恐怖を感じてしまい、チュン太を貸してしまいます。
翌日、イズミは弁当を作って美沙に食べさせます。
あ、おかずは唐揚げです!
唐揚げを食べた瞬間にイズミは「チュンチュン」と囁くのです。
みんな思うことは一緒ですよね。
美沙は唐揚げを吐き出します。
まぁ、チュン太じゃなかったんですけどね!!!
唐揚げも元は鳥さんなんだから、チュンチュンだよねというイズミ。
サイコパス出てますよ。
次の日、「ホワイトハウスへようこそ!」と言い、見知らぬアパートへ美沙を連れてくるイズミ。
イズミがトイレに行っている間に、襖が閉まっている部屋が気になって美沙は開けてしまいます。その部屋は悪臭がする部屋でした。
サイコスリラーとかよく見てる人は、察すると思いますが…
まぁ、誰も死んでないんですけどね!!!
しかし、クローゼットの中には、行方不明になっていた西尾アヤが監禁されていました。
こっわ。
そしてアパートに帰宅してきた人、それは、数学教師の栗田だった。
学校のシーンでは引っ込み思案な栗田が描かれているのですが、
ここからの栗田はマジでやばいです。
イズミは、ナポレオンの言葉を再度言います。
「人間を動かす2つのてこは、恐怖と利益である。」
イズミは栗田に「恐怖」を与えて、西尾を監禁する場所「利益」を得ていました。
この「恐怖」なのですが、イズミは栗田とプリクラを撮ったり、栗田が女子トイレを盗撮していることを知っているのでバレたら教師を続けられなくなるといった「恐怖」を与えていました。
そして西尾を監禁していた理由として、美沙をいじめないようにするためお願いしたものの、「イズミってせこいよね」と言われたことにイライラしたというものでした。
この映画の名シーンですが栗田に美沙が理由を聞こうとすると、逆上して
「今、エビ食ってるんだよ!!」
と怒鳴ります。
「哀愁しんでれら」では焼肉のシーンで
「肉なんていいんだよ!!」
って怒鳴るシーンがありましたね。
渡部監督は食事中に怒鳴るシーンが印象的ですね。結構重要なシーンでこれをやるんですよね。面白い。
遅れましたがこの映画のキャッチコピーを紹介します。
「友達、どこまで許せますか?」
ゾワッとしました。
しかも、イズミは叫んだりするシーンはなくて「フヘヘ」と笑うんです。結構なシーンで。
「吠えずに笑う」
タイトルもちゃんと徹底してますね。
後日美沙はまた栗田のアパートへ行きます。
イズミは栗田を殺していました。
殺害事後の部屋を美沙は見てしまいます。
ここからはイズミのターン!!!
「栗田がアヤを襲おうとしてたから、さすがにアヤも可哀そうで止めようとして、つい、つい、刺しちゃった。」
「裏切らなかったんだよね、私の事。美沙には私しかいないもん。」
「美沙、アヤ殺して。」
「いなくなってあんなに笑えたじゃん。」
イズミはチュン太を握ります。
「分かったよ。私がアヤを殺るから、美沙はチュン太を殺って。」
恐怖するアヤ。
「うるさい」「鳥だよ」「静かにしないと次はこっちね(包丁を見せながら)」
「アヤうるさい、だーまーれ、黙れ!」
「そ、よくできました。」
血の噴き出る音。
「一緒に逃げよ。」
「好きなのに、好きなのに、こんなに好きなのに。"親友"でしょ?」
美沙:「包丁を向ける人が親友なわけない!」
イズミはチュン太を叩きつけました。
このシーン10周くらいしました。
色んな感情が詰まってます。エネルギーも。
ここのシーンで流れる音楽も最高。
場面が変わり、少年刑務所の場面へ。
美沙は、ビニール傘で何度もイズミを刺し、殺害していました。
裁判では正当防衛が認められ、無罪でした。
ラスト、学校のシーン
美沙はトイレで化粧をしていました。
「私上手にできたかな、イズミに教わった化粧。」
右目を見ると真っ赤な目。
花瓶で鏡を割り、鏡をみて自分自身にこう言います。
「自分を守る嘘、あんたの武器でしょ」
美沙の両目は青い目になっていました。
このシーンは前半でイズミが化粧していたシーンと構図が同じなんですよね。(青い目を除く部分)
イズミと出会って良くも悪くも美沙は変わったのだと思います。
少なくともイズミの影響を受けてか、イズミと同じ言葉も発しています。
「哀愁しんでれら」でも思ったのですが、渡部監督の監督作品は「赤色と青色」そして「目」がとても印象的なんです。
公式サイトにある以下の画像なのですが、美沙が青、イズミが赤の陰になっています。
影はそれぞれの内面を表すカラーなんでしょうね、
美沙だと携帯やチュン太が青色でしたね。
イズミだと携帯、傘、(降りかかる血)が赤色でした。
ただ、ペディキュアを塗ったときにそれぞれの色が逆転しているのは、お互いの友情が深まったことを表現しているのかなと思ったりしましたが、イズミの影響が美沙に流れてきているのかなと捉えることもできました。
それを踏まえての、化粧シーンなのだとしたら、同様の構図になることもなんとなく分かります。
両目の青は、正当防衛が嘘なのか、イズミの影響が自分の中に入ってきていることが嘘なのか、その両方なのか、はたまた別の意味があるのか。
色々考えてしまいました。
根本変えることを言うかもしれませんが、そもそもこの映画、美沙の調書作成の語りで進んでいることを考えると、
全てが嘘の可能性もあります。
いじめていたアヤを殺すために美沙が全部仕込んだ可能性だってあるわけで。
少なからず、美沙の嘘は自分を守るための武器なので、どこかしらが美沙の嘘であってもおかしくはないと思います。
エンディング後、クラスの風景。
授業中に携帯のバイブ音が鳴り没収される生徒。
美沙はイズミの席に座ってじっとその生徒を見つめているのでした。
新しい「親友」なのでしょうか。
そのシーンで映画は終了します。
まとめ
この映画、「濃い」
濃密な94分間でした。
考察点とか伏線がちりばめられていて、本編1日で3周してしまいました。
「哀愁しんでれら」を見る前でも、見た後でも渡部監督ワールドに浸ってみませんか?
この映画を見た他の人の感想とか意見、考察もめっちゃ気になるところです。
邦画でワクワクしたのも超ひさしぶりでした。大満足でした。ありがとうございました。
ではまた。
【感想】CRASH<クラッシュ>4K無修正版を見てきた
皆さん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
UniCosmoです。
昼だと結構温かくなりました、ヒートテックも終い時ですかね。
春の兆しを感じる今日この頃です。
さて、今日は有給取って4連休真っ只中だったのでいつも通り映画を見てきました。
見てきた映画はこちら
CRASH<クラッシュ>4K無修正版 クローネンバーグ監督
予告
あ、R-18映画なので良い子はアリ・アスター作品を見ようね!
あらすじ
主人公ジェームズは、ある日交通事故を起こしてしまいます。
交通事故によって、被害者夫婦の夫は亡くなってしまうのですが、妻ヘレンは平然としているのでした。
数日後、二人は廃車置き場で出会います。
ジェームズとヘレンは、事故の衝撃を通して特殊な性的興奮を覚えてしまいました。
二人はでそのまま営み始めます。(は?と思ったらこの映画見切れないと思います。マジで。)
その後、車両衝突による興奮で、エクスタシーに到達しようとする「グループ=カー・クラッシュ・マニア」の会に出会います。
ジェームズは、その魅力にどんどん陥ってしまい…
といった内容です。
感想
興味本位で見たら、脳が追い付かずにあっという間の100分でした。
見終えた直後の感想ですが、「言葉にするのが難しい。」
これを真っ先に思いました。
個人的に傷口を舐めるシーンが痛々しく感じてしまって…
痛いシーンは大丈夫なんですけどね、不思議。
「事故が起きて、肉体が変容すること」、「事故によるそもそものスリル」、「その先の死と再生」、色々な思考を持った登場人物たち。
自分が普通だと思っていても、他者から見れば普通ではないことはあるわけで。
すぐそこに存在して、起こりえる事象の極端例なのかもしれません。
例えば、自傷行為。生きるため(生きていることを実感するため)に自らを傷つけているパターンがあります。
他者の視点で彼らを見ることができるのは、いろんな気づきがあるかと思います。
あと、衝突シーンはアクション映画にあるような派手さはないです。
金属塊と金属塊のぶつかり合いです。
大抵そのシーンの後に人間の腰のぶつかり合いが始まります。
無機物、有機物2つのぶつかり合いはこの映画の全てを体現しているかのように思えました。
ラストシーンは清々しさを覚えてしまうほどサッパリとしていました。
セフレの車とクラッシュギア(世代ばれそう)して、そのまま傷ついた彼女に興奮がMAXになって野外でそのまま営みはじめて、この映画は終わります。
このころになると脳がバグってるので、もう慣れてました。映画ってすごいね!!!
一番気になっているのは、この映画を見に来ていたカップルの感想を聞きたいということ。
おそらくこの映画、他の人の考えを聞くと深化していけると思うんですよね。
そのうちPUI PUI モルカーでオマージュとしてでてきそう。
見た人、感想を教えてください。
それでは。
自己紹介
Q.何を書くためのブログか
A.見た映画の感想、考察を吐き出す場所(自己満足)
今までは、「見る」→「考える」で終わっていた映画でした。
ある日、行き場の無い言葉、感想たちが自分の中に溜まっていて、気持ち悪くなりました。
酒と一緒で気持ち悪い時は出しましょう!というノリで、言葉を吐き出したくなりました。
需要なんてなくてもいいです、言葉の行き場所(ある意味、遺棄場所かもかも)が欲しいだけなので…
Q.万人におすすめできる映画をサクッと1本教えて!
A.「Munchausen」 アリ・アスター監督
Munchausen → ミュンヒハウゼンと読みます。
アリ・アスター監督の2013年に完成した短編映画です。17分なのでオススメしやすいんですよね。
アリ・アスター監督といったら、「Midsommar(邦名:ミッドサマー)」や「Hereditary(邦名:ヘレディタリー/継承)」の長編2作品が日本では大人気(?)で話題でしたよね。
好きな監督なんですよ。この時点でヤバい人間だと思われるでしょうが。
そんなインパクト強めな2本の映画の前には、8作ほどの短編映画がありまして、その中でも特徴的な無声映画です。見てれば分かります。
なので、英語とか気にしなくていいのがオススメしやすいもう1点の理由になります。
ラストのオススメ点、無料で見れます。
違法サイトとかではないですのでご安心を。
以下からどうぞ。
簡単なあらすじ
時は19XX年―――。(嘘です)
これはとある一家の物語。
大学入学を控えた息子、そして少し寂しそうな母親。
母親にとっては息子は大事な存在なので、「我が子が離れてしまう」ということで、複雑な心境になっていました。(家族愛、感じますね。)
母親は息子の大学生活、将来を考えます。
隣には女でもいるのかな、結婚もするのかな…と妄想が膨らみ、精神が押しつぶされそうになるのですが、ある一つの行動にでるのでした。(息子のために動ける母親、家族愛、感じますね。)
Q.この映画の考察とか感想はないんですか?
A.ネタバレ踏むのが怖いです。タイトルが自己紹介なのに…
自己紹介【ネタバレ有】とかにしたら個人情報載せてそうなので…
とは言いつつ、この映画
特に似ているところは、トイストーリーのアンディの部屋の構図に似ているんですよね。実際アンディもトイストーリー3で大学へ行く準備するシーンもあるので、なおさら似てます。
ちなみにトイストーリーの最高傑作は3だと思います。4はNG。
あとは撮影方法がカールじいさんぽいですよね。いわゆるモンタージュってやつです。
この点からも、アリ・アスター監督は子供にも見てもらいたかったんでしょう。(冗談)
というのは前置きです。
アリ・アスターだぞ、もちろん「家族破壊しまーすwwwww」タイムになります。
そもそもタイトルの「ミュンヒハウゼン」って?という方に説明しておくべき事項なのですが、「ミュンヒハウゼン症候群」という精神疾患があります。
この疾患は、周りの興味・関心・同情を引きたくて病気を装ったり、自傷したりする疾患です。
この疾患の一種として「代理ミュンヒハウゼン症候群」というものがあるみたいです。
さすがにここまでは知りませんでした。wikiってすごい。
代理ミュンヒハウゼン症候群(だいりミュンヒハウゼンしょうこうぐん、英: Münchausen syndrome by proxy、MSbP、MSP)とはミュンヒハウゼン症候群の一形態であって、傷害の対象が自分自身ではなく何か代理のものであるような精神疾患である。
多くの場合、傷害対象は自らの子や要介護者であるため、児童虐待、高齢者虐待、障害者虐待と同列に挙げられる。しかしながら傷害行為自体は患者の目的ではなく、手段として傷害行為に及び自分に周囲の関心を引き寄せることで、自らの精神的満足を他者から得ようとしているものである(共依存)。子が患者の傷害の対象である症例では、患者は傷害を目的として行っているわけではないとはいえ、行為が反復・継続し、重篤な傷害を負わされる危険がある。
代理とついているように、自分とは別の存在を病気にしようとしたり、傷つけたりしようとするものです。質(たち)が悪いですね。
本作はこっちのほうです。これは児童虐待の一種でもあるみたいで、、、はい、これ以上は言いません。
Q.ここまでの事はタイトルから想像つくんだよね、もっとないの???
A.ここからは本編に関係ない自己満考察ゾーンです。
アリ・アスター作品あるあるですが、どこかしらに色んな伏線、要素が含まれています。
例として、とあるシーンでポスターに「Uncle dad」と書かれています。
以下だと少し暗いですが…左上です。
「Uncle dad」という単語は、おじさんの様な父親を表したり、親権がない場合の親を表すことが多いみたいです。
親権が無い場合の親を「Disney dad」とも表すんですよね。
さっきなんて言ったっけ、
ピクサーに似てる。
あっ…
ピクサーはディズニー配給なんですよね。
あたかもディズニーのもの感が装われている感じがしますが、製作はきちんとピクサーです。
代理ミュンヒハウゼンに当てはめてみましょう。
周りの興味・関心・同情を引きたくてピクサーを装ったのがディズニーなのかもしれません。
というアリ・アスターの皮肉的な何かを勝手に感じてました。
これを吐き出したかった。はぁー、スッキリ。
2回目ですが、ここはマジで自己満考察ゾーンです、本編には関係ないです。
アリ・アスターを嫌いになったり、ネットでたたいたりしないでください。
コメントに見た人の意見を殴り書きしてください。
最後に
こんな感じで書いていきます。
Bloggerより書きやすいですね。泣いてる。
Munchausenの小ネタですが医者役の俳優は「The Turtle's Head」というアリ・アスター作品にも出演しています。こちらもそのうち書きたいですね。
2021年2月21日現在、今年は52本映画を見てました。内、映画館では24本見てました。
好調な滑り出しですね。
文章力はまだまだなので温かい目で見てください。
SAYONARA